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[企業イン(人)サイド] 7. IXC

「春川でデジタルとAIトランスフォーメーションの実質的な効果を現場で検証し実験する」という気概あふれる抱負を胸に、地域に人工知能ソリューション開発企業を立ち上げた人たちがいる。IXCのナム・ギチョル代表とシン・ミンギュ技術総括理事だ。人の日常生活に技術力を加えて新しい価値を生み出したいという2人に、19日、春川ICTベンチャーセンターで会った。

江原道民日報の記事画像 — 春川市の商圏分析ダッシュボード、CCTVベースの訪問客分析画面、そしてモニターの前に立つIXCのナム・ギチョル代表とシン・ミンギュ技術総括理事

経済に技術を加える…人工知能ソリューションで商圏再編 かつてのスタートアップ同僚が力を合わせ共同創業を決断 デジタルツイン・トランスフォーメーションなど地域産業への接木が目標 春川市内の大学からの人材確保・技術拡散を計画 全生涯周期の統合ケアネットワーク「テハンドルボム」 健康・情緒・生活パターンに合わせたオーダーメイド計画を策定 プラットフォームを適用した直営在宅福祉センターの設立を予定 「データ基盤プログラム」で路地商圏に照準 訪問客の性別・年齢などの分析が価値創出を後押し 「より良い未来・意味ある経験を届けるべく努力」

▲ IXC(アイエックスシー)が分析した春川市内の総店舗数と月商、流動人口などの指標。円の中の数字が密集した店舗の数だ。▲ 訪問客をデータ化して小商工人に提供する「ペルソナビジョン」。訪問客の年齢と性別をデータ化して見せている。▲ ナム・ギチョル(写真右)IXC代表とシン・ミンギュ技術総括理事。

■ デジタル不毛の地・春川を「実験室」に

ナム・ギチョルIXC代表は、かつてスタートアップで共に働いた同僚のシン・ミンギュ技術総括理事と手を組み、春川にIXC(アイエックスシー)を共同創業した。

ナム代表は2022年1月、ソウルでアイデアベンチャーズという名前で会社を設立し、昨年11月から春川ICTベンチャーセンターのオフィスに入居した。2月10日からはIXCという名前で、シン理事とともに春川で新たにスタートを切った。

ナム・ギチョル代表の創業は今回が初めてではない。彼は2007年、16歳で「ウォンインタラクティブ」というIT企業を創業し、無料ドメイン事業を手がけたこともある。

人工知能ソリューション開発企業のIXCは、デジタルツイン・デジタルトランスフォーメーション・AIトランスフォーメーションを地域産業に接ぎ木するという目標を掲げ、デジタル産業の不毛の地である江原道春川に腰を据えた。

ナム代表は春川出身で春川に縁があったが、シン理事は江原道での生活が初めてだ。ナム代表はAI不毛の地である春川を「機会の地」だとしてシン理事を説得した。

ナム代表は「春川を離れて暮らしてきたのは、春川に自分のやりたい仕事がなかったからだ」とし、「今は春川がソウルとのアクセスも良く、江原大学や翰林大学など人材も非常に多いので、発展の可能性が十分あると考えた」と話した。

AI技術が世界の注目を集める一方、江原道はデジタル不毛の地で、まだ産業領域がデジタル領域へ大きく転換されていない。ナム代表とシン理事はこの点に注目した。

春川は観光資源とともに教育都市という特徴の中で、安定した地域ネットワークに基づく伝統的な産業運営が維持されている場所だ。ナム代表はこうした環境をむしろ自分たちの力を示す「機会」だと判断した。

2人はデジタル不毛の地である江原道を一つの「実験室」と見た。春川をAI実証都市にしようという主な理由の一つだ。

AI実証都市とは、人工知能技術を単に研究室の中だけで活用するのではなく、都市全体を巨大な実験室として実生活に適用し検証する都市モデルだ。

江原道にはまだデジタル・データ基盤へ転換されていない産業領域が多く残っているだけに、春川にある大学の優秀な人材を確保しながら、人工知能技術の拡散を春川から示していく計画だ。

■ 単なる自動化ではない、本物のデジタルトランスフォーメーション

単に技術を自動化の手段とするのではなく、地域産業と日常の運営方式を変えることが2人の目標だ。

以前からデジタルトランスフォーメーションやAIトランスフォーメーションに関する議論が続いているが、実際に実感できる場面は多くないのが現実だ。

そこでナム代表とシン理事は、ソウルでは享受できたが春川では経験できなかった衣食住に関わるプラットフォームを運営し、市民に新しい経験を提供するという目標を立てた。

ナム代表は「人の日常生活に技術力を加えて新しい価値を生み出したい気持ちだ」とし、「人の生活では衣食住が最も重要な部分なので、そこに集中したい」と話した。

この部分で、スタートアップ企業で共に働いたナム・ギチョル代表と理事の思いが一致した。ナム代表はデザイン分野と経営で主に経験を積み、シン理事はプログラムエンジニアリング専攻であるだけに、2人が力を合わせて江原道で経験したことのない「プラットフォーム」をつくることが目指すところだ。

事業性の面でも、すでに多くのデジタルプラットフォームがソウルを起点に運営されているだけに、多くの経験を享受してきた首都圏よりも春川が有利だと見た。特にその中でも、市民の日常生活に密着できる技術をつくることが目標だ。

このビジョンを実際の現場で具現化するため、IXCは複数のプロジェクトを進めている。

その一つが、全生涯周期の統合ケアネットワーク「テハンドルボム」プロジェクトだ。ケアの過程で蓄積されたデータを精密に分析し、利用者の健康状態、情緒、生活パターンに最適化されたオーダーメイドのケア計画を立てることで、サービス満足度を高めることが目的だ。

これを基盤に、IXCは介護事業者と協業し、今年、春川の後坪洞でこのプラットフォームを適用した直営の在宅福祉センターを設立する予定だ。

ナム代表は「新しい事業に挑もうとしたとき、ソウルより春川で試みるほうが速く広がり、『AI実証』にも適していると判断した」とし、「地域紙やSNSを見ると、江原道は特に地域の連帯感が強く、口コミの面でも有利だと考えている」と説明した。

■ 春川の路地商圏をデータ化する

地域産業にデジタルを取り入れる中で、2人は路地商圏に集中した。春川・後坪洞にある青果業者と共に進めたデジタルプロジェクトが代表的だ。現金や手書き中心の運営システムを、データ基盤の運営構造へ転換した。

このプロジェクトは青果業者の悩みから始まった。現場で販売者の「勘」だけに頼る営業の限界を感じた青果業者が、IXCに助けを求めた。

大企業が運営するチェーン店の場合、本社が管理する発注プログラムなどをもとに、売上管理や商品発注で技術の助けを受けられる。それに対し小商工人の場合、そうした技術の助けなしに店舗を運営しなければならず、困難が大きい。

しかも青果の場合、発注で確保した青果物が売れなければ、すべて売上の損失につながる構造だ。

これを防ぐため、IXCは天候や最近の果物品目別売上などに対する人工知能分析によるデータをもとに、在庫と売上の流れを最適化できるプログラムを組んだ。

同社がIXCのプログラムを使い始めてから、時間と営業利益の確保に役立った。まず商品の注文のために在庫や検討に費やされる時間が大きく減って人件費と労力を節約でき、データに基づく商品注文によって廃棄される青果物を最小化できたためだ。

春川の青果業者とのプロジェクトを皮切りに、全国の卸売市場のリアルタイム競売データを株式チャートのように直感的に可視化し、農家の出荷タイミングと意思決定を助けるオーダーメイド相場情報プラットフォーム「アイエムノンブ」もつくった。

また、地域商圏の売上、流動人口、業種分布などをデータ化して巨視的な立地分析を提供するソリューションを通じ、春川市内の商圏分析ソリューションも提示した。

これをもとに、「春川グルメ」のような主要ローカルキーワードのポータル検索露出順位をリアルタイムで追跡し、地域の小商工人のオンラインターゲットマーケティングを支援するローカルマーケティングプラットフォーム「ニトロ」を構築している。

オフライン訪問客の性別・年齢や行動パターン(看板からの流入率、キオスク、テーブル滞在時間など)をデータ化し、小商工人に実質的な店舗運営のインサイトを提供する「ペルソナビジョン」がある。ペルソナビジョンは店舗のCC(閉回路)TVをもとに、訪問者の性別、年齢まで分析できる。

ナム・ギチョル代表は「技術と創意性を結び付けて新しい価値を創出し、持続可能な変化を導きながら、人生の深みと美しさを加えるロマンチックな価値を実現し、より良い未来と意味のある経験を人々に届けることが目標だ」と話した。

シン・ジェフン記者 ericjh@kado.net

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